お知らせ

2019年01月15日

ISC News No.350 (2019.1.15)

§1. 情報科学センター計算機システムの概要について

2019年4月から運用を開始する次期情報科学センター教育研究用計算機システムについて,その概要をお知らせします.

これまで情報科学センターは,教室内に多くの利用者端末を設置し,共通の利用者端末環境(OS,ソフトウェア)を提供することにより,多人数・集合型の情報処理教育を支援してきました.

2019年度入学生より本学でのノートパソコン必携化(*1)が開始されることに伴い,次期の情報科学センター教育研究用計算機システムは,BYODを活用した学習環境の支援を重視した構成に転換します.

*1:ノートパソコンの必携化のおしらせ
  http://www.kyutech.ac.jp/student-cheer/kyutech_byod.html

主に提供される利用者向け機能は以下の通りです.

  • 性能強化,機能向上を行ったe-ラーニングサービス(moodleサーバの増強,負荷分散装置の導入,学習記録データの蓄積機能導入)
  • 持ち込みPCへのWindowsアプリケーション配信サービス
  • OpenStackによる実験用仮想OS提供サービス
  • 持ち込みPC上で動作する,旧利用者端末環境に相当するUbuntuイメージの提供

情報科学センターの講義室には,BYOD向けの情報コンセントサービスが提供されます.

  • 情報コンセント(無線LAN)として,従来のSSID KIT-IA の代わりに KIT-EDUを提供(KIT-IA は情報科学センターの講義室では提供されなくなります)

※講義用SSID(KIT-EDU)の詳細については,本ニュースの「2. 講義用SSIDの運用について」を参照してください.

従来提供していた一部のサービスについては,代替サービスやクラウドサービスへの転換を実施します.主な対象は以下の通りです.

  • メールサービス: Office365(九工大メール)へ転換済み
  • ネットワークストレージ(Proself): Office365(OneDrive for Business)への転換
  • 仮想デスクトップ環境,リモートログイン: 提供方法の変更・同時接続数の縮小

なお,在学生が利用するための経過措置として,これまで提供していた教室内の利用者端末環境については,規模を縮小し2021年度末まで運用を継続する予定です.

新システムの主な構成機器,ソフトウェアは以下の通りです.
(構成機器)
 ★サーバ仮想化システム(飯塚:8ノード) Nutanix NX-3060-G3
   CPU: Intel Xeon Gold 6138(20コア) x 2, メモリ: 512GB,HDD: 2TB SASx 4,SSD: 960GB x 2, LAN 10GbE x 4
   ハイパーバイザ AHV / AOS
   仮想化システムのリソース総量:CPU: 320コア, メモリ: 4TB, ストレージ: 実効40TB
 ★ファイルサーバ(飯塚:1台)
   NetApp FAS2650
   ストレージ容量 実効65TB, LAN 10GbE x 4
   ストレージプロトコル NFS, CIFS
 ★ファイルサーバ(バックアップ) (飯塚:1台)
   ハードウェア: HPE ProLiant DL380 Gen10
   HDD: 4TB SAS x 16, LAN 10GbE x 4
   OS: NetApp ONTAP Select
   ストレージ容量 実効45TB
   ストレージプロトコル NFS, CIFS
 ★負荷分散装置(飯塚: 2台)
   A10 Thunder 1040S CFW
   L4/L7スループット: 20Gbps, SSLスループット: 7Gbps, LAN 10GbE x 4
 ★ネットワークスイッチ
   Juniper Networks EX4600, EX3400, EX3400(PoE), EX2300
   端末接続 1Gbps
   フロア間接続 10Gbps x 2 (冗長化構成)
   サーバ等接続,10Gbps x 2, 10Gbps x 4, 40Gbps (冗長化構成)
  (ソフトウェア) *ソフトウェアは本システムのサーバ仮想化システム上で稼働
 ★e-ラーニング関連
   LMS: Moodle 3.5(8台冗長化構成)
   補助システム: ownCloud community edition 10(ファイルアップロード), Learning Locker v2(学習履歴記録)
 ★アプリケーション配信システム
   Numecent CloudPaging 9.1
   Windowsアプリケーションのパッケージ化, 利用者への配信, 配信期限や数の制限等の各種機能
 ★仮想OS提供システム
   Acropolis OpenStack Driver Queen.0
   提供サービス: 仮想マシン(Nova), 仮想ネットワーク(Neutron), イメージ管理(Cinder,Glance), GUI(Horizon)等
   提供予定の仮想OS: CentOS, Ubuntu
  (在学生に対する経過措置用)
 ★利用者端末(現行端末の継続利用)
   Dell Optiplex9020 USFF (戸畑 116台,飯塚 126台)
   CPU: Intel Core i3-4130 (3.4GHz, 2core)
   メモリ: 8GB
   LAN: 1000Base-T (1Gbps)
   その他I/F: USB2.0/3.0, サウンド入出力
   ディスプレイ: 19インチワイド液晶ディスプレイ
   キーボード: Happy Hacking Keyboard, 光学式マウス
   最大消費電力: 100W以下(ディスプレイ含む)
 ★利用者端末ソフトウェア (OS) Ubuntu 16.04LTS,Windows 10
 ★ファイルサーバ(戸畑1台,飯塚1台)(現行機材の継続利用) NetApp FAS3220
   ストレージ容量:実効14TB, LAN: 10Gbps×4
   ストレージプロトコル NFS, CIFS
 ★プリンタ(戸畑2台,飯塚2台) リコー IPSiO SP 8400

新システムに関する説明会,講習会等の情報については,準備ができしだい,順次お知らせしていく予定です.

§2.講義用SSIDの運用について

情報基盤運用室では,無線LANによる情報コンセントサービスを提供しています.現在,以下の3つのSSIDが利用可能です.

  • KIT-IA : 九工大ID所有者用, IEEE802.11 a/n/ac (5GHz帯)
  • KIT-IB : 九工大ID所有者用, IEEE802.11 g (2.4GHz帯)
  • eduroam: eduroam加盟機関者用

2019年度入学生より本学でのノートパソコン必携化(†1)が開始されることに伴い,新たに講義用SSIDの運用を開始します.

講義用SSIDは,ノートパソコンを活用した授業向けとして,
 『多数の端末の同時接続に対応した高速化』
 『講義に支障を与えかねない特定のアプリケーションやサービスに対する接続制限』
を考慮した運用を行います.

講義用SSIDの概要は以下の通りです.
  SSID名: KIT-EDU
  提供対象: 九工大ID所有者(IEEE802.1Xによる利用者認証)
  通信方式: IEEE802.11 a/n/ac/ax (5GHz帯)
  高速化・広帯域対策: 最新規格である IEEE 802.11ax 4×4 MIMO 対応.試験的にチャネルボンディングによる高速化を実施.
  接続制限: 授業時間内における OS アップデートやゲーム等,円滑な講義の進行に支障を与えかねない通信を制限

講義用SSIDは情報科学センターの講義室(戸畑:C-2B,C-2G・飯塚:AV講義室,端末講義室)より現行 KIT-IA(5GHz) の代わりに提供を開始し,状況を見て順次他の講義室にも展開する予定です.提供開始時期は2019年4月を予定しています.

本件に関するお問い合わせは,情報基盤運用室までお願いします.
   *情報基盤運用室(内線:87-3011)
   E-mail:

(†1) ノートパソコンの必携化のおしらせ,http://www.kyutech.ac.jp/student-cheer/kyutech_byod.html