2.IEEE 802.11 無線LAN

2.2 IEEE 802.11 ネットワーク形態

IEEE 802.11 無線LANを構成する最も基本的な構成要素は,複数のSTAによって構成される BSS(Basic Service Set)です.BSS にはアドホックネットワークとインフラストラクチャネットワークの2つの種類があります.アドホックネットワークでは,図1に示すようにSTAは互いに直接通信します.一方インフラストラクチャネットワークでは,図2に示すようにSTAは他のSTAや無線LAN外のネットワークとAPを経由して通信します.この点でAPは携帯電話網の基地局と類似しています.現在の無線LAN網は殆どインフラストラクチャネットワークによって構築されており,本稿ではこのインフラストラクチャネットワークを対象としています.

図1:アドホックネットワーク 図2:インフラストラクチャネットワーク

冒頭でも述べたように,1つのAPによってカバーできる通信距離や通信速度は限られています.よって通信距離と通信容量を拡充するためには,複数のBSSを組み合わせた無線LAN網を構築する必要があります.この複数のBSSによって構成される無線LAN網のことをESS (Extended Service Set) と呼びます.ESSを図3に示します.

図3:Extended Service Set

同じESS内のSTAは互いに通信することができ,1つのBSSから他のBSSに透過的に移動することが出来ます.ESSは複数のBSSによって構成されますが,このBSS間はDS (Distribution System) によって接続されます.DSは1つのAPが他のAPに所属しているSTAや無線LAN外部のネットワークまでフレームを送信できる機構を有しています.そのためDSは異なるBSS間をつなぐバックボーンだと考えることも出来ます.このDSには大抵の場合イーサネットが利用されています.


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九州工業大学情報科学センター